TOPPAGE

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

その獣、粗野につき


「珍獣でご機嫌とり/見るも哀れな蒋夫妻の対米媚態」

美鈴はアメリカ名士の接待役である。殊に対米放送を行ったり
宣伝に浮身をやつしているが、あの手この手の宣伝も手が詰まったか
最近思いついたのが四川省の山奥に住む熊猫牝牡2頭をアメリカの
中国救済協会に贈呈するという名案で
(中略)
2頭とも全黒色の内に白の斑点があり、毛は密にして長く
眼光は爛々として光を放ち、表情は極めて粗野……
                (『読売新聞』1941年11月12日)


この記事が出た26日後、日本海軍は真珠湾に奇襲を
かけ、日中戦争は太平洋戦争へと拡大していきます。

もちろん、この記事で紹介されている「熊猫」とはパンダ。
中国(当時は中華民国ですが)が初めて行った
「パンダ外交」は、アメリカの国民感情を
自国へ引き寄せ、日本の中国大陸への野心を
牽制するために始められたのでした。

先のパンダ来日にあたっても、
この意外なルーツにまで言及していた
報道はほとんどありませんでしたが、

パンダ外交 (メディアファクトリー新書)パンダ外交 (メディアファクトリー新書)
(2011/02/28)
家永 真幸

商品詳細を見る


メディアファクトリー新書、2月の新刊
『パンダ外交』ではこのエピソードに留まらず
欧米人によるパンダの「発見」から現在に至るまで
激動する中国の歴史とパンダがどうかかわってきたかを
平易に、ダイナミックに描いています。

ちなみに先日、新宿を歩いていたら
某有名餃子専門店の前の黒板に
「イヤーな中国でも、餃子はうまい」と
宣伝文句(?)が書いてあり、その下に
お薦めメニューが続いていました。

これを書いたのはたぶん、中国人従業員の方でしょう。
街の空気から、自国への「イヤーな」感情を
読み取り、半分自棄でコピーに取り入れたのかも。

確かに尖閣諸島問題があり、
頼りのGDPも抜かれ、
中国に向かう視線はどうしても
複雑になってしまう昨今。

でも、ですね。
本書を読む限り、中国は一生懸命です。
近代国家として認められたいという
悲願のもと、希少な資源を損なわない
注意を払いながら、そのつどそのつど
パンダの処遇を決めていた様子が伝わります。

かつて『サクサクわかる現代史』で

サクサクわかる現代史 (メディアファクトリー新書)サクサクわかる現代史 (メディアファクトリー新書)
(2010/08/25)
青木 裕司、片山 まさゆき 他

商品詳細を見る


片山まさゆき画伯はこう喝破しました。

無知が勘違いと傲慢を生み、
相手を思いやる想像力を奪う。


日本人はパンダをその目で「知る」ことで、
「表情はきわめて粗野」などではないことを
もう知っています。だから、パンダが
「怖い」と本気で思う人はあまりいないはず。

中国のことも、もう一歩踏み込んで
「知る」ことができれば、
「イヤーな」感じも払拭できるのでは、
などと思うのですけれども……。

(というわけで新刊絶賛発売中。編集A)


スポンサーサイト
プロフィール

mfshinsho

Author:mfshinsho
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。